14章
16章
ヨハネの黙示録15章
最後の七つの災い 神の怒りが極みに達する(15章-16章) 七人の天使が神の怒りの満ちた七つの鉢を受け取る(1-8) 15章から最後の七つの災害が始まる。 1-4節は7:9-17と同様に天上の勝利者たちの神を賛美する情景。 5-8節は8:1-6にならって書かれている。 1節 またわたしは、天に大いなる驚くべきほかのしるしを見た。七人の御使が、最後の七つの災害を携えていた。これらの災害で神の激しい怒りがその頂点に達するのである。 5-8節の序詞となっている。「七人の御使」は、6節に初めて現れるが、1節でそのことが予想されている。「大いなる驚くべき」が3節で繰り返されている。「ほかのしるし」12:1,3の二つのしるしに続くしるしである。「最後の七つの災害」レビ26:21の「七倍の災」に匹敵するもので、21:9の「最後の七つの災害」と同じもの。 2節 またわたしは、火のまじったガラスの海のようなものを見た。そして、このガラスの海のそばに、獣とその像とその名の数字とにうち勝った人々が、神の立琴を手にして立っているのを見た。 3-4節の序詞となっている。「ガラスの海」は4:6に出てきた。神と人間との間に存在する区別を象徴している。「火のまじった」というのは、神の怒りの火がその海にうつっていることを示している。「その名の数字」は13:18の666をさしている。「うち勝った」は「無関係であった」と解する説もある。彼らは聖歌合唱の伴奏楽器立琴(詩編33:2-3)を持っていた。 3節 彼らは、神の僕モーセの歌と小羊の歌とを歌って言った、 「全能者にして主なる神よ。 あなたのみわざは、 大いなる、また驚くべきものであります。 万民の王よ、あなたの道は正しく、かつ真実であります。 「神の僕モーセの歌」は出エジプト15:1以下の感謝の歌をさす。「全能者にして主なる神」1:8,11:17 4節 主よ、あなたをおそれず、 御名をほめたたえない者が、ありましょうか。 あなただけが聖なるかたであり、 あらゆる国民はきて、あなたを伏し拝むでしょう。 あなたの正しいさばきが、 あらわれるに至ったからであります」。 詩編86:9,1サムエル2;2,エレミヤ10:7などによる。「あらゆる国民はきて、あなたを伏し拝むでしょう」詩編86:9,イザヤ66:23,エレミヤ16:19-21の思想を反映している(21:24-25,22:2)。「正しいさばき」は「正しい行為」の意(19:8)。 5節 その後、わたしが見ていると、天にある、あかしの幕屋の聖所が開かれ、 「あかしの幕屋」は使徒7:44にも出ている。旧約聖書では「あかしの幕屋」(出エジプト38:21,民数1:50)の他に「会見の幕屋」(出エジプト27:21,40:26)、「会見の天幕なる幕屋」(出エジプト40:2,6)、「会見の天幕」(出エジプト40:32-34)などと言われている。 6節 その聖所から、七つの災害を携えている七人の御使が、汚れのない、光り輝く亜麻布を身にまとい、金の帯を胸にしめて、出てきた。 「七つの災害」1節を受けている。「亜麻布」(19:8)や「金の帯」(1:13)は祭司の着る物であった。 7節 そして、四つの生き物の一つが、世々限りなく生きておられる神の激しい怒りの満ちた七つの金の鉢を、七人の御使に渡した。 「金の鉢」5:8では、金の鉢には香が満ちていたのであるが、いまやの鉢は「神の激しい怒りの満ちた」(14:10)鉢となった。 8節 すると、聖所は神の栄光とその力とから立ちのぼる煙で満たされ、七人の御使の七つの災害が終ってしまうまでは、だれも聖所にはいることができなかった。 「煙で満たされ」出エジプト19:18,40:34-35,1列王8:10,詩編18:9,イザヤ6:4,65:5,エゼキエル10:4,44:4)。「だれも聖所にはいることができなかった」煙や雲は神の栄光を象徴し、それらはきたるべき審判の前兆であって、それが立ちこめている間は祭司でも神前に至ることはできなかった(出エジプト40:35,1列王8:10-11)。 (2019/12/28)
ヨハネの黙示録略解
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