十和田八幡平国立公園を一部に含む、岩手の八幡平市に住む機会を得た。
そこは八幡平温泉郷と県民の森に隣接する自然に囲まれた静かなリゾート地だ。
83才まで優れた作品を書き続けたアガサ・クリスティーは、その年の原稿を出版社に渡すと、
5月から11月まで避暑地で過ごしたという。(生家が避暑地にあった)
アガサのファンだからというわけではないが、私は12月から3月は沖縄、4月から11月まで八幡平で暮らしたいと思う。
22年続けてきた沖縄-埼玉のパターンが、沖縄-岩手に変わっただけだけど。
ここが気に入っている点の一つは、北欧の森の雰囲気に似ていること。
県民の森の白樺や、まっすぐに高く伸びた赤松やカラマツの林を見ると、昔出張で訪れたノルウェーの森を思い出す。
八幡平 2020 - 3度目の春と夏、4度目の秋
八幡平 2019 - 2度目の春と夏、3度目の秋
八幡平 2018 - 春から秋にかけて
出だし
2017年9月21日から10月末まで、八幡平での最初の一か月余を過ごした。
到着後、庭の手入れをしていた時、通りかかった人の話では、この時期、丁度紅葉シーズンとのこと。
住まいの周辺は10月10日頃が見ごろ。
内覧、価格交渉、契約、リフォームの打ち合わせと冬から夏にかけて、数回、日帰りで訪れたが、
実際に住んでみると期待していた以上に素晴らしい環境だった。



初めての秋(2017)
盛岡で新幹線を降り、駅前でレンタカーを借りて、盛岡市内で当日必要な寝具、鍋、食器、食料を買い、昼前に八幡平市へ向かった。下見、打ち合わせで何度か、業者に連れて行ってもらった際に、自分で運転して来る時のために道路や目印に気を付けていた。しかし、いざ自分で運転するのと、単に同乗するのでは、勝手が違い、目的地近くで20分位迷ってしまった。それでもなんとか14時頃到着できた。雨戸、窓を開けた後、お隣のMさん宅に挨拶に行き、生活に必要な情報を伺いながら、日時指定した照明器具と日用品の到着を待った。Mさんは大変歓迎してくれて、親切に教えてくださったばかりか、後で蚊取り線香と刺されたときの軟膏、とりあえず必要な分のゴミ袋を届けてくださった。夕方、4つの部屋とキッチン、トイレ、玄関に照明器具を取り付けたが、沖縄に比べて日没が早い上、木で囲まれているので暗がりでの作業になった。
前の日、埼玉のアパートを引き払った際、いずれ寝具は複数必要なので現地で購入することにし、引越の費用を抑えるため混載便にした。荷物の搬入まで、一週間位かかるとのこと。インターネットの回線工事は翌日なので、光ケーブルのモデムは手持ちにした。回線が開通し、ラップトップパソコンがあれば、机はなくても仕事に支障がない。それにキッチン、トイレ、風呂が使えるから、室内で豪華なキャンプしていると思えばいい。。。と思っていたら、テーブル無しでのパソコンの操作や食事を三日も続けると結構疲れる。結局、応急処置として、折り畳みの机と椅子を買ってしまった。
カーテンその他の購入で盛岡まで出かけたり、室内外の整備に数日かかったが、近隣を探検する時間が出来たので、タブレットを持って歩いてみた。すると購入時には気が付かなかった立地条件の素晴らしさが分かった。
まず徒歩10分位のところに、閑静な散策路を持つ広大な県民の森がある。キノコを探している人たちが何名かいた。この辺の山は、ほとんどが松の木で、住民調査に来た警察官の話では、秋になるとマツタケ狩りにくる人たちが多いそうだ。しかし、県民の森の多種多様な木の下に生えているキノコは、大きさと形からするとシメジと思う。キノコ狩りの人に聞いてみようとしたが、近づくと反対の方に行ってしまい確認きなかった。
次に公園の中に岩手山の登山口があり、そこから七滝という美しい滝に行くことができる。登山口まで歩いても行けるが、朝他のハイキング客が来ないうちに、車で登山口の駐車場まで行って、早めに登り始めると静かな散策を楽しめる。滝まで行って、ゆっくり写真をとり、登山口まで戻る頃に他の人たちが登り始める。
そして、アスピーテラインを40分位ドライブすると十和田八幡平国立公園の見どころの一つである八幡平頂上に行けるのも地元の強みだ。紅葉シーズンの週末は麓の松尾鉱山資料館付近から車が渋滞する。週日でも朝9時過ぎには、数台の車が列を作って走っている。週日の8時頃に出発したら、途中1、2台の車に会っただけだった。頂上登り口の手前の無料駐車場に車を置き、頂上を中心に一回りした頃に、列をなして歩いてくる団体客とすれ違った。駐車場には大阪ナンバーや名古屋ナンバーの車もあった。
(Oct. 24, 2017)